【理系・浪人】大学4年生が改めて浪人のメリット・デメリットを考えてみた【経験談】
浪人のメリット編
浪人のメリット1:微積の物理に慣れることができる
理系・物理選択限定ですが、浪人では物理を微積で考えることをお勧めします。
なぜなら浪人生の武器である、「とりあえず数学(特に微積)は履修し終わっている」ことを使えるからです(現役生に、まだよく分からない微積を物理に導入させるのは難しいことです)。
加えて、大学での物理は微積が前提です(微積を使わない物理、なんなら理系科目は存在しません 授業1回目からバリバリ微積使ってきて少し焦ります)。
また、ものを始めるのは何事も早いほうがよく、微積(微小な世界)を用いることで現象の理解が上がります。
なお、大学受験で物理を微積で解くのは邪道とされているため、そういう予備校や参考書が少ないのが難点です(なので駿台一択です 私は駿台の回し者ではないですが、駿台は正統派の理系塾なので、個人的に強くお勧めします)。
浪人のメリット2:粘り強く続けるという経験ができる
大学での勉強、特に研究において、「粘り強く続ける(とにかく続ける)」ことは1番大事といっても過言ではありません。
高校までは「あんま勉強してないけどなぜか勉強ができる・分かる」人がいましたが、大学以降ではそれがあまり通用しづらいです(なぜなら、直感的に理解できる要素が減るので、とにかくその分野に慣れ親しむ必要があるからです)。
そこで求められる力が、何に向かっているかわからないけど、とにかく続けることです。
浪人生活ではたびたび「なんのためにこんな思いしなくちゃいけないんだ?」というどうしようもない葛藤に悩まされることもしばしばですが、その葛藤をはねのける経験をできる機会として、浪人は適しています。
浪人のメリット3:良い大学に行ける(チャレンジできる)
当たり前ですが、浪人することで現役では叶わなかった目標に再チャレンジすることができます。
「良い大学=偏差値の高い大学 ということではない」という文言を時々見ますが、正直なことを言うと、割と(良い大学=偏差値の高い大学 は)正しいです。
「頭がいい人≒勉強はできるけど、人に気遣う力が少し欠落している(≒ADHD?)」という認識が若干世間ではありますが、実際は普通に気遣える人が多いです(しかし確かにADHDっぽい人もいることは事実です メディアはそういう人を放送したほうがウケがいいので、放送します)。
偏差値が高いほど、理系は質の高い研究成果を発表しており、文系はサークル活動が盛んな印象があります。
逆に、「自分は理系だけど、別に研究の質は低くてもいい」「自分は文系だけど、大学生活はあまり遊ぶつもりはない」という人は、浪人せずにストレートで合格した大学に入ったほうがいいかもしれません。
浪人のメリット4:1年間じっくり悩める
人にもよりますが、浪人は1年間世間と距離をとるので、とことん何かに悩むことができます(SNSが一般的になり常に情報に囲まれる昨今、じっくり何かに悩む機会は、実は貴重に感じます)。
もし自分がたまたま現役ストレートで第一志望に合格し、心の整理がつかないまま大学生になっていたらと思うと、想像がつきません(それはそれで面白いかもしれません)。
「自分はどんな性格か(どんな勉強法が合ってるか)」「どんな大学生活を送りたいか」「それまでの人生でなにを改善すべきだったか」「友達の大切さ(私は浪人生活中友達がほぼ0だったので、これが1番身に沁みました)」「自分はなぜ勉強しているのか」 じっくり腰を据えて考えると、大学生活以降の人生がさらに潤う気がします。
そういう意味では、「浪人中に友達を作りまくること」「浪人中にSNSをやること」は強くお勧めしないです(浪人中友達ほぼ0だったこと、SNS全消ししたこと などは過去の記事にあるので、そちらも是非お読みください)。
浪人のメリット5:(少し)アイデンティティになる
1度つまづいた経験は、その後の人生で少しだけアイデンティティになります。
「浪人した」「留年した」「退学した(学校入りなおした)」「院進した」「休学した」何らかの理由で同級生に一歩遅れていると、「何かあったのか?」と少し周りに思興味を持たれます。
日本人的な考えではありますが、何か自虐ネタ(謙遜ネタ・失敗ネタ)を持ってると、ちょっと会話しやすくなる気もします(また、人の辛さを共感しやすくなる気もします)。
よく「浪人したら同級生に何か思われるんじゃないか?」という考えを高校生は抱きがちですが、心配無用です(案外世間の人は何らかの理由で立ち止まりがちです ストレートで進む人のほうが少ないんじゃないか?というくらいです)。
浪人のメリット6:「あの頃に比べれば」と考えられる(メンタルが強くなる)
もちろん、大学入って以降も辛いことは何かしらあります。
そんな時、「あの頃に比べればまだ耐え」と考えられることは、人生を楽にします。
実際の浪人生活はなんの変わり映えもない単調な日々が続くだけで、ある意味楽と思える人もいるかもしれません。
しかし、今後生きていく数十年のための心のよりどころを作るという意味でも、1年の浪人くらいやる価値はあるかもしれません(多浪はしたことありません・・)。
浪人のメリット7:同級生が先輩になる(アドバイスをもらえる)
浪人すると、小中高の同級生からその時その時でアドバイスを貰えるようになります(例:おすすめサークル 大学生活の過ごし方 就活の方法)。
経験が遅れるということが、逆にメリットになるのです。
浪人のデメリット編
浪人のデメリット1:勉強しなければならない期間が増える
おそらく大学生活で研究に没頭しない限り、大学受験(特に浪人時代)が人生で最も勉強する期間だと思います。
勉強に価値を置く人なら悪いことではないですが、勉強をあまり重要視しない人にとっては苦痛でしかありません。
大学受験以降勉強したくないと考えている人は、浪人せずに現役で進むほうが楽しいかもしれません。
浪人のデメリット2:上手くいかない可能性がある(落ちるかもしれない)
浪人したからと言って、必ず行きたい大学に行けるとは限りません(特に東大京大など超難関大を目指す人は、どんなに良い判定が出てても落ちる可能性を捨てきれないです)。
自問自答しながら勉強する1年間(orそれ以上)それ自体には間違いなく価値がありますが、結果という意味では価値が生まれない可能性もあります。
私の経験上、上手くいくいかないに関わらず浪人の経験を後悔している人は見たことがありませんが、彼らが本心を言っている保証はないので、後悔しないとは限らないでしょう。
浪人のデメリット3:学費が余計にかかる
1年間浪人すると、1年間の学費+1年間の給料分、損をします(宅浪をするにしても、1年間遅れることによる生涯賃金が減る可能性はあります)。
浪人の経験により、学費の削減(国立なら)や一流企業の就職、生涯賃金の上昇(専門的な分野を身につけた場合)を実現できた場合トータルすると黒字になる人がほとんどだと思いますが、全員がそうとは限りません。
自分ではあまり認識できませんが、予備校1年分の100万円超という金額は、とても大きいものです。
浪人のデメリット4:我慢することが増える
浪人はある意味、どれだけ禁欲できるかが鍵になってきます。
それまで好きだった趣味、交友関係、SNSなど、ある程度の自制が求められます。
大人になるにつれて我慢する機会が増えることは確かですが、若者と大人の中間である10代後半にそれを経験することは、良い意味でも悪い意味でも、大変なことです。
おわり
結論
私の浪人に対する結論は、
「少しでも浪人を考えるなら、するのを強く勧める」
です。
大学4年生になって強く感じることは、
・浪人した(周りに遅れをとった)ことを、世間は全く気にしない(体感、3人に1人は浪人や留年で遅れてるんじゃないかってレベル)
・世間(会社)は思ったより、学歴を重要視している(資本主義社会の構造上、勉強ができる≒信頼できる可能性が高いという構図は、おそらく今後数百年変わらない)
・浪人で得られる知識・思考は、今後の人生に大きく影響する(良い方向か悪い方向かは分かりませんが、浪人を経験するかしないかで間違いなく方向がかなり変わります)
・浪人という、自分の全てをかけて何かに取り組むという経験は、おそらく今後の人生でほとんど無い(大人になるほど責任が増えてきて、何か1つに集中するということが難しくなっていきます)
などです。
私は言葉をうまく使えないので、極端な言い方しかできませんが、とにかく迷うくらいなら浪人したほうがいいです。
ではまた。