ホームレスの仕事~ビッグイシュー~
ホームレスの仕事
ホームレスの人は、常に寝ているように見えて、実は働いています。
主な仕事は廃品回収(空き缶、古紙、貴金属、家電製品)や日雇い労働(ドカタ)です。
その中でも今回は、ビッグイシュー(THE BIG ISSUE)について紹介しようと思います。
ビッグイシューとは何なのか
ビッグイシューとは、「雑誌を売る」仕事のことです。
駅前で時々、大量の雑誌を広げて売っている人たちは、実はホームレスの人たちです。
ビッグイシュー(THE BIG ISSUE)は、1991年にロンドンで発祥したホームレスの社会復帰を目的とした社会的企業で、2003年に日本に進出しました。
日本版の内容は主に、俳優などの芸能人・自然・健康・文化についてのもので、政治的な内容も含まれています。
仕組みの例
1.ホームレスの人は、「ビッグイシュー 日本版」をビッグイシュー(企業)から無料で10冊貰う
2.貰った10冊を1冊350円※で売り、新しい「ビッグイシュー 日本版」を定価170円で新たにビッグイシュー(企業)から買い、売る
3.利益は1冊180円で、それを繰り返す
といった流れです。
販売価格の半分以上はホームレスの人たちの稼ぎになります。
※2020年4月から、350円→450円と変更になりました
ビッグイシューの歴史
ビッグイシューの初め
ビッグイシューが2003年に日本で導入された当初、100%失敗すると言われていました。
・国民の活字離れ
・雑誌の路上販売の文化がない(怪しい)
・有料では売れない
・ホームレスの人たちからは買わない
などが主な理由です。
しかし、世間の予想に反して、誰もが読みたくなるような内容と、日本人の人思いの国民性に起因したのか、2003年から現在(2020年)までビッグイシューの活動は続いています。
ビッグイシューの現在
2003年から続くビッグイシューは、累計登録者が約2000人を超え、累計867万冊を売り上げ、ホームレスに約13億円を超える収入を提供しました(2019年11月現在)。
しかし、2020年初めに世界的に広まった「新型コロナウイルス」の影響により歴史的大不況が訪れたことで、ビッグイシューは従来の1冊350円から、450円と大幅な値上げをする決定をされました。
未来のビッグイシューとホームレス
近年のAIなどの技術革新と職業の専門性の上昇により、このままだと職を失う人が増えてしまう可能性があります。
また、高齢化による、高齢者の働き口の提供も無視してはならない問題です。
したがって、これからは技術革新によって失われた職に代わる新しい職の創造と、ホームレスや高齢者など従来はあまり労働に関わってこなかった層の人々への職の提供が求められてきます。
ビッグイシューの存続と発展、また新しい職業コンテンツの創造がこれから社会を担っていく人々に求められます。